イチゴやトマトの受粉に役立つクロマルハナバチとは?受粉用ミツバチが活動しない低温期の利用可能

イチゴやトマトなどハウスで栽培を行う作物は、人為的に行う人工受粉やセイヨウミツバチなどの昆虫を利用した虫媒受粉を行う必要があります。しかし近年では自然災害での養蜂場の被災や様々な理由から花粉交配用のミツバチ自体が不足傾向にあると言われています。

また、主にハウス栽培のトマトでは薬剤を利用したホルモン処理で受粉を促していますが、これは生産者自身が行うため作業負担になるだけでなく、花を見落としてしまったり、薬剤を噴霧する場所や濃度に細心の注意を払う必要があり精神的負担も大きいのが現状です。

そんな生産者が抱える悩みを解決するため、クロマルハナバチを利用した受粉が広がりつつあるのをご存知でしょうか。この記事ではクロマルハナバチの特徴をはじめ、使用方法や注意点などを詳しく解説していきます。

目次

受粉方法

受粉の方法は大きく分けて自然受粉人工受粉の二つがあります。これはどちらが良い悪いということではなく、育てている作物や環境によっても違ってくるので適した受粉方法を選ぶことが重要です。

自然受粉

 

自然受粉はミツバチなどの訪花昆虫と呼ばれる虫たちが花の蜜を求め動き回っているうちに付着した花粉がめしべに付くことで受粉することを言います。

また、風などによって花粉を飛ばし受粉させるのも自然受粉のひとつです。自然受粉は主に露地栽培で利用されていて、家庭菜園などの昆虫が多くいる環境では適している受粉方法といえます。

人口受粉

 

人工受粉は人為的に行う受粉方法のことで、スイカなどの雌雄異花の作物の場合や確実に実を付けたい時などに利用します。

家庭菜園などでは筆や梵天と呼ばれる耳かきのふわふわした部分を利用して受粉させる方法が一般的です。

農家が行う施設栽培の場合では養蜂した受粉用ミツバチやクロマルハナバチの巣箱をハウス内に設置し、蜂の働きによって受粉を促しますが、これも人工受粉のひとつと考えられています。

クロマルハナバチとは

クロマルハナバチは北海道や南西諸島以外の本州を中心に広く分布している在来種の昆虫です。5~10月の約半年間が巣作りの期間となっていて、国内種としては規模の大きな巣を作るのが特徴です。女王バチや働きバチである雌バチと雄バチでは体の色が異なっていて雌バチは黒色、雄バチは黄色と黒色の縞模様になっています。

活発に活動させるための環境としては17~27℃が適温とされていますが、10~30℃程度の温度であれば活動を行ってくれるため、ミツバチが活動をしない低温期の利用も可能です。

一方活動範囲は650m~1㎞が限界で、4kmの活動範囲があると言われるミツバチと比べると狭い傾向にあります。

クロマルハナバチは訪花すると、体を振動させて花粉団子を作り巣へ持ち帰るという習性を持っています。密がない花にも訪花するのでトマトなどの蜜を持たない花の受粉で主に利用されているのが現状です。

冒頭でも書いたように、昨今ミツバチが供給不足になりつつあることからイチゴなどでもクロマルハナバチの利用が進んできています。

わいずニャン
※ミツバチが供給不足になりつつあることからイチゴなどでもクロマルハナバチの利用が進んできているニャン。

セイヨウオオマルハナバチとの違い

セイヨウオオマルハナバチとクロマルハナバチの大きな違いといえば前者が外来種、後者が在来種であることです。体の大きさはクロマルハナバチの方が一回り大きく、一度にたくさんの花粉を運べると言われています。セイヨウオオマルハナバチと比べると攻撃性が弱いため、人を刺してしまうことが少ないという点も特徴のひとつです。

また、クロマルハナバチは雄バチが早く羽化する傾向にありますが、働きバチや巣の寿命には影響しないと考えられています。

外来種であるセイヨウオオマルハナバチは生態系への悪影響の懸念から2006年9月より特定外来生物に指定されています。さらに2019年9月以前から許可を得ていた農業経営者のみが利用可能になり、それ以降に申請した方の利用は認められなくなってしまいました。

わいずニャン
※現在日本では在来種であるクロマルハナバチの利用が推奨されているニャン。

クロマルハナバチの放花活動

クロマルハナバチは比較的大きいハチになるので、一度にたくさんの花粉を運ぶことが出来るといわれています。放花活動は休みながら丁寧に行うことが出来ます。マルハナバチは放花時におしべにかみつき、体を揺らして花粉を集めます。この時のおしべに残った後をバイトマークといい、マルハナバチが放花した目印になるようです。

おすすめ国産クロマルハナバチ

クロマルキューブ

クロマルキューブは短期間・小規模面積のハウスに適しています

【商品規格】
ハチ:女王バチ1頭/働きバチ30頭以上/雄バチ5頭以下の生存/卵・幼虫・蛹多数を目視で確認
蜜量:約1.3㎏
商品外寸(㎝):幅19.3×奥行22.5×高さ19.5

◆利用可能期間:約4週間(飼養環境によって変わります)
◆1箱当たり飼養施設面積の目安(栽培密度や栽培方法、品種、季節などによって異なります)
大玉トマト(施設):~約300坪/ミニトマト(施設):~約240坪/イチゴ(施設):~300坪
◆本商品の北海道向け販売は行っておりません

 

クロマルDX

クロマルシリーズの通常品であるクロマルデラックス。(旧クロマルDタイプ)
アグリセクトが独自の技術で日本原産種のクロマルハナバチを国内の自社工場で増殖した商品になります。

【商品規格】
ハチ:女王バチ1頭/働きバチ50頭以上の生存/雄バチ10頭以下の生存/卵・幼虫・蛹多数を目視で確認
蜜量:約2.5㎏
商品外寸(㎝):幅31.5×奥行25.3×高さ25.8

◆利用可能期間:約6週間(飼養環境によって変わります)
◆1箱当たり飼養施設面積の目安(栽培密度や栽培方法、品種、季節などによって異なります)
大玉トマト(施設):約300坪/ミニトマト(施設):約250坪/イチゴ(施設):約300坪/ナス(施設):100~200坪
◆本商品の北海道向け販売は行っておりません

クロマルプレミアム

高品質な蜂 を厳選したクロマルプレミアム。(旧クロマル)
通常交配バチとして雄バチは働きません。プレミアムは雄バチがいない商品になります。

【商品規格】
ハチ:女王バチ1頭/働きバチ50頭以上の生存/雄バチ発生なし/卵・幼虫・蛹多数を目視で確認
蜜量:約2.5㎏
商品外寸(㎝):幅31.5×奥行25.3×高さ25.8

◆利用可能期間:約6週間(飼養環境によって変わります)
◆1箱当たり飼養施設面積の目安(栽培密度や栽培方法、品種、季節などによって異なります)
大玉トマト(施設):約300坪/ミニトマト(施設):約250坪/イチゴ(施設):約300坪/ナス(施設):100~200坪
◆本商品の北海道向け販売は行っておりません

クロマルの使用方法

準備

放飼開始をする前に、巣箱を置く場所として平らな場所を確保し日除けを施しましょう。

クロマルハナバチが活動しやすいように水滴が落ちず、ハウス全体を見渡せる場所がおすすめです。

置く場所が決まったら着地台を設置し、巣箱の格子部分から同梱されている花粉1包を与えます。

施設の開口部に展張したハチ防止用ネット(4mm目以下)に隙間がなく、クロマルハナバチが逃亡できないかの確認してください。

花粉を記憶させるための学習飛行を行いましょう。

開放

準備が完了したら出入口を開放します。この作業は日没後暗くな

ってから行うことで花粉を記憶する成功率が上がります。

わいずニャン
※夜間に環境や雰囲気を知る事で、翌朝から効率的に動けるニャン。

開放した翌日はハウスの状態を観察し、訪花しているかどうかを確認するようにしましょう。訪花していない場合はさらに学習飛行を行う必要があります。

活動のチェック方法

・クロマルハナバチが訪花しているか

・バイトマーク(クロマルハナバチの咬み跡)がおしべについているか

・巣箱に戻るクロマルハナバチが花粉団子を持っているか

取り換え時期の目安

・巣内のクロマルハナバチが少なくなってきた

・クロマルハナバチが飛んではいるが訪花しなくなった

・クロマルハナバチの出入りが見られなくなった

クロマル利用の際の注意点

・クロマルハナバチは日本の在来種であるため外来生物法による飼養許可は不要ですが、野外への逃亡防止のため施設開口部には4mm目以下のネットを設置するようにしましょう。また、逃亡できなくすることで、鳥による食害や露地栽培で散布した農薬の影響によるクロマルハナバチの減少を抑えることもできます。

同じ施設内でクロマルハナバチとセイヨウオオマルハナバチを同時に使用しないようにしましょう。クロマルハナバチ、セイヨウオオマルハナバチ共に働けなくなってしまいます。

・使用後は残っているクロマルハナバチを逃がすのではなく、ビニール袋に入れて蒸し込みを行ってから、各自治体の定める処分方法に従って廃棄するようにしてください。

・ハウスで紫外線カットフィルムを使用している場合、紫外線のカット率によってはクロマルハナバチの活動が抑制されてしまうことがあります。

・アグリトップクロマルキューブ、クロマルDX、クロマルプレミアムは、クロマルハナバチを人工的に増殖した商品です。生態系への配慮から、野外に逃がさないことが重要です。商品使用後は確実な殺処分をお願いします。

※ハチを完全に死滅させた後、各自治体の定める処分方法に従って廃棄してください。(事業系ごみとして処分してください)

入者様レビュー★★★★★

ご購入者様レビュー★★★★★

ご購入頂いた方からの喜びの声をご紹介します。

★★★★★ 小さなビニールハウスにちょうど良いサイズで、トマトの訪花で、過訪花になりにくいです。発送も早くすぐに使えます。毎年リピート購入しています。

★★★★★ 頑張って受粉してくれています。 ミツバチと違って寒い早朝から活動してくれます

まとめ

今回は受粉の方法をはじめクロマルハナバチの特徴や使用方法などをご紹介しました。

クロマルハナバチはトマトやナス、イチゴなど様々な作物で利用可能な訪花昆虫です。

利用する際は使用方法や注意点を守ってハウス内の受粉の効率化を目指していきましょう。

紹介商品

■クロマルキューブ 受粉用蜂 30頭以上 乾燥花粉付 巣箱セット

■クロマルDX 受粉用蜂 50頭以上 花粉・蜜・巣箱セット

■クロマルプレミアム 受粉用蜂 50頭以上 花粉・蜜・巣箱セット

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