- 目次 -
誘引(ゆういん)とは?
誘引とは、支柱などに紐や誘引資材(誘引クリップ・誘引フックなど)で植物の枝や茎を固定し植物を伸ばしたい方向へと誘導し、植物の形を整える作業です。また、誘引することで植物の花や実が付きやすくなり長期間栽培することができ、収穫量のアップにつながります。
トマトを誘引(ゆういん)して育てるのはなぜ?
トマトを誘引して育てる理由は、トマトは元々ほふく性の植物で、誘引などせずそのまま栽培した場合地面に沿って成長します。これをほふく性植物といいます。
このまま地面を這った状態で栽培した場合、管理や作業が大変になるばかりか、日本のように雨が多い地域では、病気や害虫の発生が増えてしまうので誘引をする事で病気や害虫の発生などを抑えトマトを長期間栽培することができます。
誘引資材を使って作業効率UP!
従来の誘引作業は麻紐などを使った誘引作業でとても時間がかかり体への負担がありましたが誘引資材(誘引クリップ・誘引フックなど)を使うことで簡単に取り付け・取り外しが行え作業時間が短縮し体への負担も軽減されます。
誘引資材(誘引クリップ・誘引フックなど)で誘引することにより、風通しや日当たりの調整が簡単にできるので病気や害虫の被害が減り良質のトマトが生産できます。さらに、誘引資材(誘引クリップ・誘引フックなど)を使くことで、誘引作業の効率UP・良質のトマトの生産・トマトの収量アップ・トマトの収穫期間を伸ばしたりするなどの多くのメリットがあります。
トマトの誘引時期について
トマトの誘引時期は、地域や環境によって異なりますが、トマトの苗を植え付けたときに誘引線や支柱を立て、トマトを誘引します。これによって、トマトの茎が誘引した方向に伸びるようになるので、トマトの生長に合わせ誘引を繰り返します。
誘引(ゆういん)の種類について
トマトの誘引でよく使われる誘引方法は、直立誘引・横紐斜め誘引が有ります。この他にも地域や人によってさまざまな誘引方法がありますが今回は、代表的な誘引方法、直立誘引・斜め誘引についてご紹介します!
直立誘引(ちょくりつゆういん)
直立誘引は、トマトの枝を直立に誘引紐や支柱で固定して、トマトの成長に合わせ誘引する方法を直立誘引と言います。直立誘引する事で、風通しや日当たりがよくなり病気や害虫の被害が減り良質のトマトが生産できます。また、トマトの茎や実が地面に着かないので茎や実の傷みが少なくなります。
直立誘引の手順

STEP①
誘引ひもを誘引用フックなどに取り付け、30センチから50センチ程度の間隔で誘引線(鉄線・エクセル線)に掛けます。誘引線(鉄線・エクセル線)は、地面から2メートル程度の高さで設置します。

STEP②
トマトの苗を植え、トマトの茎の生長に合わせて、くきたっちアルファを下から上へ留め替え誘引します。また、トマトの先端部につきましては、トップメイトを使うことで、トマトの倒れを防止します。

STEP③
トマトの茎が成長したら誘引用フックをスライドし伸びた茎をカケ次郎に載せトマトの成長に合わせ誘引を繰り返します。
直立誘引にオススメ誘引資材 9選
① 誘引紐の移動やロックがワンタッチ【トップフック】
【トップフック 特長】
トップフックは、誘引線(鉄線・エクセル線)を挟んで一方向しか動かずロック(トップフックを倒して引っ張った場合、トップフックの先端の金具でロックされます。)するので、誘引紐の移動やロックがワンタッチで行えます。トップフックは、一方向しか動かないので、トマト・ミニトマト等の長段取りに最適です。細い誘引線(鉄線・エクセル線)にも確実にロックします。
【トップフック 使用方法】
トップフックを取り付ける場合は、フックの先端を誘引線(鉄線・エクセル線)に掛けて紐を下方向に引き取り付けます。トップフックを取り外す場合は、指で摘み、ねじりながら上方向に押し上げると誘引線(鉄線・エクセル線)から取り外せます。
② 紐を結ばず誘引紐の取り外しがワンタッチ【むすばんロック】
【むすばんロック 特長】
むすばんロックは、ひもを結ばず巻き付けるだけなので紐を結ぶ作業が無くなり作業が軽減され誘引紐の取り付けと取り外しが楽になります。むすばんロックは、誘引線(鉄線・エクセル線)への取り付けや誘引位置の移動やロック誘引線(鉄線・エクセル線)を挟んで一方向しか動かずロック(むすばんロックを倒して引っ張った場合、むすばんロックの先端の金具でロックされます。)が簡単にできるので誘引ひもの位置決めが簡単にできるようになります。
【むすばんロック 使用方法】
むすばんロックに誘引紐を取り付ける場合は、ひもの先端部を手前に折り曲げて持ち紐取り付け部の下まで引っ張りすべり込ませます。誘引する側の紐を短い紐の上に被せるようにして、2~3回巻き付けます。誘引する側のひもを、紐取り付け部分の下迄引っ張り誘引紐を取り付けます。
むすばんロックを誘引線(鉄線・エクセル線)へ取り付ける場合は、フックの先端を誘引線(鉄線・エクセル線)に掛けて紐を下方向に引き取り付けます。むすばんロックを取り外す場合は、フックを斜めに傾け上方向に押し上げると取り外せます。
③ 誘引紐をタップリ収納【ひもまきロック】
【ひもまきロック 特長】
ひもまきロックは、数作分の誘引紐を収納できるので、毎作のひも設置作業が簡単に行えます。ひもまきロックは、先端にトップフックが付いているので誘引位置の移動やロックがワンタッチで簡単にできます。
【ひもまきロック 使用方法】
ひもまきロックで、紐を巻き取る場合は、巻始めの紐留めの隙間に2~3回巻き込んでボビンに誘引紐を巻き取ってください。滑り易いひもは端に結び目をつけ巻き取って下さい。下の図のように巻き付け部分に紐を巻き付けることによってボビンがかたむかずに誘引する事ができます。
④ 巻くだけ簡単取付け【まきつけロック】
【まきつけロック 特長】
まきつけロックは、誘引紐を横から縦に巻き付けるだけで、誘引ひもを結ばず誘引紐の取付け・取外しが簡単にできます。まきつけロックに誘引ひもを巻き付けた後、下の図のようにまきつけロックに細いパイプや支柱を差し込んで誘引紐と支柱を一緒に握り高い位置への誘引線にも簡単に取付られます。まきつけロックは、先端にトップフックが付いているので誘引位置の移動やロックがワンタッチで簡単にできます。
【まきつけロック 使用方法】
まきつけロックに誘引紐を取り付けるには、下の図のようにまきつけロックに誘引ひもを横方向に巻き付けます。誘引紐を縦方向に巻き付けます。巻き付け後、下部のフックに誘引ひもを引っ掛けて、下方向に引っ張ることで紐の跳ね上がりを抑えます。まきつけロックから誘引紐を取り外すには、誘引ひもを下部のフックの上面に添わせるようにあてながら外し巻き手順と逆に巻き戻すと取り外せます。
まきつけロックを誘引線(鉄線・エクセル線)へ取り付ける場合は、フックの先端を誘引線(鉄線・エクセル線)に掛け、右にひねりながら下方向に引き取り付けます。まきつけロックを取り外す場合は、指で摘みねじりながら上方向に押し上げると取り外せます。
⑤ 丈夫で長持ち【くきたっち誘引紐】
【くきたっち誘引紐 特長】
くきたっち誘引紐は、「くきたっちシリーズ」用に厳選された日差しに強く、耐久性の高い繰り返し使用できる紐です。丈夫で長持ちする誘引ひもです。
【くきたっち誘引紐 使用方法】
くきたっち誘引紐は、誘引線(鉄線・エクセル線)を張り、誘引ひもに固定資材(トップフック・むすばんロックなど)を取り付け、誘引線(鉄線・エクセル線)に設置し誘引します。
⑥ 苗の倒れ防止に【トップメイト】
【トップメイト 特長】
トップメイトでトマトの成長部(先端部)と誘引紐をいっしょに挟むことでトマトが紐に沿って伸びるので倒れず成長させることができます。トップメイトは、小さく軽量なのでトマトの成長部(先端部)に負担が少なく、持ち運びにも便利で手軽に作業できます。クリップの先端に隙間が開かないので茎保持中に誘引紐から外れにくくなっています。また、トップメイトは、UVカット剤入りなので日差しに強く繰り返し使用できます。
【トップメイト 使用方法】
トップメイトの先端を開いた状態でトマトの成長部(先端部)と誘引ひもを挟み使用します。成長部(先端部)の引っ張るチカラと紐を張っていることでトップメイトが固定されます。固定されない場合は、枝にトップメイトをかけ固定します。また、支柱固定部分に支柱を通し使う場合はトップメイトの支柱固定部分に支柱を通しトマトの成長部(先端部)を挟み固定することもできます。
【トップメイト 使用動画】
⑦ 簡単ワンタッチ【くきたっちアルファ】
【くきたっちアルファ 特長】
くきたっちアルファを使うことで従来の紐を結ぶ誘引作業が大幅に短縮されます。くきたっちアルファを使い誘引する事で誘引個所を従来より減らすことが可能です。また茎を縛る必要がないため、茎に紐が食い込んで傷めたりすることもなく、紐の巻き直しや固定テープなどを使わずに確実に誘引作業ができます。
ひもは巻きつけないので玉どり位置を揃えることも簡単で、収穫作業も楽になります。収穫後の片づけもクリップを外すだけなので簡単に行えます。さらに支点部がダブルフックなので耐久性があり、紐を挟んでも支点部が浮き上がらずひもを強く挟み込みます。紐挟み部が長いため、縦紐・横紐どちらにも留められます。紐挿入口が大きく開くため、クリップの留め外しが簡単に行えます。
【くきたっちアルファ 使用方法】
くきたっちアルファの先端を開いた状態で植物を挟み誘引紐は紐挟み部で挟み使用します。取り外しもクリップを外すだけなので簡単に行えます。
【くきたっちアルファ 使用動画】
⑧ 茎折れ対策に【房吊りフック】
【房吊りフック 特長】
房吊りフックは、果房軸の折れや裂けを軽減する事で、生産性を補助します。商品中央部が薄くなっているので無理なく簡単に果房軸を吊り上げる事が出来ます。誘引紐への着脱・房の位置や高さ調整が簡単に行えますひもを巻くだけで簡単に留まるのでピンッと張った誘引紐にも取り付け取り外しが簡単です。フックを連結させダブルで使用できます。
【房吊りフック 使用方法】
房吊りフックを張っていないひもへ取り付ける場合は、下の図のようにフックで果房軸を持ち上げ、紐留め部手前から後方へ誘引紐を回します。紐留め部と上からの誘引紐の間に通し下に引っ張り取り付けます。房吊りフックを張っている紐へ取り付ける場合は、果房軸を持ち上げ、紐通し部へ誘引紐を通し紐留め部後方へ誘引紐を回します。紐留め部前方へ誘引ひもを回して取り付けます。
⑨ 茎整理や病気対策に【カケ次郎】
【カケ次郎 特長】
カケ次郎を使うことで、灰色カビ病や葉カビ病等の発生が少なくなります。トマトの茎や実が地面に着かないので烈果、烈皮が少なくなります。通気性が良くなり薬剤散布の効率が向上します。茎を載せる高さを自由に選択できるので収穫作業が楽になります。長期栽培(長段取)に最適です。
【カケ次郎 使用方法】
横紐にカケ次郎を掛け伸びたトマトの茎をまとめます。
横紐斜め誘引(よこひもななめゆういん)
横紐斜め誘引は、枝を斜めに誘引する方法を横紐斜め誘引と言います。通気性が良くなり
薬剤散布の効率が向上します。横紐斜め誘引は、株数に対して支柱の数を減らして誘引する事が可能です。
斜め誘引の手順

STEP①
80センチ程度間隔をあけ支柱を立てます。
横紐は縦に30センチ程度の間隔で張り、「しちゅうキャッチ」で紐を固定します。

STEP②
トマトの苗を植え、トマトの茎が成長したら、茎を斜めにしトマトの生長に合わせて「くきたっちアルファ」を下から上へ留め替え誘引します。

STEP③
伸びた茎を「カケ次郎」に載せ、トマトの成長に合わせ誘引を繰り返します。
横紐斜め誘引にオススメ誘引資材 3選
① 片手でワンタッチ【しちゅうキャッチ】
【しちゅうキャッチ 特長】
しちゅうキャッチは、取り付け取り外し、留め替え移動や、高い位置への誘引作業も、片手でワンタッチ!茎を紐で結んだり、誘引専用の器具がいらず、1本の茎に通常2~3個所留めるだけで楽々誘引!茎を支柱から外す時、紐をほどいたり、切ったりするわずらわしさがなく、支柱もキズ付けずに楽々後始末!耐候剤(UVカット剤)入りなので紫外線、日差しに強く丈夫で長持ち、繰り返し使えて、低コスト!
【しちゅうキャッチ 使用方法】
しちゅうキャッチを取り付ける場合は、下の図のように茎と支柱を片手で持ち、クリップの中央を支柱に当てて茎を挟み込みます。カチッと音がするまで折り曲げて取り付けます。
クリップ中央部の折り曲げ部分は白化(白くなる)しますが、この白化現象によって柔軟性と耐久性が増しますので繰り返し使えます。しちゅうキャッチを取り外す場合は、本体を持ったままロック部を指で押すことで、茎を挟む部分が全開になり簡単に外れます。
② 簡単ワンタッチ【くきたっちアルファ】
【くきたっちアルファ 特長】
くきたっちアルファを使うことで従来の紐を結ぶ誘引作業が大幅に短縮されます。くきたっちアルファを使い誘引する事で誘引個所を従来より減らすことが可能です。また茎を縛る必要がないため、茎に紐が食い込んで傷めたりすることもなく、紐の巻き直しや固定テープなどを使わずに確実に誘引作業ができます。
ひもは巻きつけないので玉どり位置を揃えることも簡単で、収穫作業も楽になります。収穫後の片づけもクリップを外すだけなので簡単に行えます。さらに支点部がダブルフックなので耐久性があり、紐を挟んでも支点部が浮き上がらずひもを強く挟み込みます。紐挟み部が長いため、縦紐・横紐どちらにも留められます。紐挿入口が大きく開くため、クリップの留め外しが簡単に行えます。
【くきたっちアルファ 使用方法】
くきたっちアルファの先端を開いた状態で植物を挟み誘引紐は紐挟み部で挟み使用します。取り外しもクリップを外すだけなので簡単に行えます。
【くきたっちアルファ 使用動画】
③ 茎整理や病気対策に【カケ次郎】
【カケ次郎 特長】
カケ次郎を使うことで、灰色カビ病や葉カビ病等の発生が少なくなります。トマトの茎や実が地面に着かないので烈果、烈皮が少なくなります。通気性が良くなり薬剤散布の効率が向上します。茎を載せる高さを自由に選択できるので収穫作業が楽になります。長期栽培(長段取)に最適です。
【カケ次郎 使用方法】
横紐にカケ次郎を掛け伸びたトマトの茎をまとめます。
誘引(ゆういん)についてのまとめ
商品 | 特徴 |
誘引紐の移動やロックが | |
ひもを結ばず巻き付けるだけなので | |
数作分の誘引紐を収納できるので、 | |
誘引紐を横から縦に巻き付けるだけで、 | |
「くきたっちシリーズ」用に厳選された日差しに強く、 | |
トマトの成長部(先端部)と誘引紐をいっしょに | |
茎を縛る必要がないため、 | |
商品中央部が薄くなっているので | |
トマトの茎や実が地面に着かないので また通気性が良くなり薬剤散布の | |
取り付け取り外し、留め替え移動や、 茎を紐で結んだり、誘引専用の器具がいらず、 |
誘引資材(誘引クリップ・誘引フックなど)を使うことで、誘引作業の軽減や効率化を図れ、それにより栽培管理の充実が行え、労働時間の短縮と生産物の品質向上や生産性の向上につながります。
誘引方法については、地域や人によってさまざまな誘引方法があるので自分に合う誘引方法を見つけて頂き収量アップを目指してください。
トマトについての豆知識
トマトは昔鑑賞用だった!?
トマトの原産は、南米ペルーのアンデス山脈の高原地帯と考えられており16世紀以前、メキシコのアステカ族がアンデス山脈から持ってきた種でトマトを栽培したのが始まりと言われています。その後、16世紀にスペイン人が南アメリカに到達しトマトの種をヨーロッパに持ち帰りました。当時のトマトは、有毒植物に似てたため、毒があると信じられており観賞用とされておりました。しかし、イタリアの一部の人達が食用にしようと考え長い間、試行錯誤し現在の形となり、ヨーロッパへと広まり、一般的に食用となり、現在では、多くのトマトの種類が存在しております。
日本へは、江戸時代の寛文(1661~1673)頃に長崎へ伝わったのが最初とされています。日本でも当初は、観賞用として扱われており明治時代に入ってから食用として認識されましたが、臭青臭いトマトの臭いと、真っ赤な色が敬遠され、なかなか一般に広がらず、一般的に広がったのは、昭和に入ってとなり、今では、沢山の料理に使われおり私達の生活に無くてはならない人気の食べ物になっています。
収穫時期の見分け方
色の変化を確認する
トマトは品種により赤や黄色と、品種によって色が違いますが、どれもヘタの際まで求める色にしっかりと変色した状態が、完熟(収穫時期)の状態となります。トマトは、育てる環境などによって色づくまでの時間が変わってくるので必ずトマトの色の変化を確認し収穫しましょう。
ヘタの状態を確認する
完熟した状態のトマトは、ヘタが反り返り閉じています。この状態だとトマトは、ヘタから外れやすく完熟している状態となります。完熟している状態のトマトでも、簡単にヘタから外れない場合もあります。その場合、トマトのヘタから繋がっている茎を見ると茎が少し曲がっている個所があります。その部分を爪でひっかくようにしすぐ外れるものも完熟しています。
完熟時の注意点
完熟したトマトは、雨に当たると水分を吸水しすぎた状態となりひび割れしやすくなります。その為、雨が降りそうな場合先に収穫してしまうか、雨にあたらないようにするとひび割れを防げます。
コチラもお読みください

農業のためになる情報をお届け!ネット通販プラスワイズのマスコット「わいずニャン」が日本全国の農業のお悩みを解決します。「農業の“たのしい”をカタチにする」をテーマに、便利なアイデア商品情報もお届け。