ネギや葉ネギは風に弱く、どうしても倒れてしまったり、折れてしまったりします。農家にとって、ネギの葉折れは品質の低下に。家庭菜園でも、せっかく育てるのだから、しっかりしたネギを育てたいですよね。
そこで今回はネギを丈夫に育てる肥料、「バリカタ!」をご紹介します。バリカタ!の主成分はケイ酸です。ケイ酸は細胞を丈夫に、そして病気に強くしてくれます。バリカタ!を使って、しっかりしたネギを作りましょう。
- 目次 -
ネギ・葉ネギの葉折れ
ネギや葉ネギは風に弱いため、どうしても葉が折れてしまいます。特に家庭菜園では、もっとしっかりしたネギを育てたいとお悩みの方も多いはず。まずはネギが折れてしまう原因を見てみましょう。
葉折れの原因
強風・雪
ネギはどうしても風に弱い作物です。雪の重みでも折れてしまうので、冬になると、大雪でネギが折れてしまったという、農家さんの悩みがニュースで報道されることも。自然条件はどうすることもできないため、丈夫なネギに育てることが重要です。
徒長
徒長は、ひょろひょろと細長く伸びてしまった状態のこと。徒長はどの作物でも注意が必要ですが、折れやすいネギ類では特に気をつけましょう。徒長の原因には次のようなことがあげられます。
①日照不足
日照が不足していると、ネギは光を求めて上へ伸びていき、徒長してしまいます。
②密植
作物を密に栽培する密植では、隣り合ったネギによって光が遮られてしまいます。そうすると日照不足になり、徒長してしまいます。
③窒素過剰
窒素は作物の成長を促進しますが、与え過ぎるとサイズばかりが大きくなり、軟弱に成長してしまいます。
葉折れの予防
ネギの葉折れを予防するには、支柱や防風ネットが使用されることもありますが、すぐに折れてしまわないように、丈夫なしっかりしたネギを育てることが重要です。そこで今回はサカタのタネの「バリカタ!」という肥料をご紹介します。
ネギ・葉ネギの葉折れにバリカタ!
バリカタ!はサカタのタネのケイ酸肥料です。成分や主な効果は次の通りです。
pH : 3.0
主な効果 : 倒伏の被害を軽減/根張り向上/収穫後のしおれを軽減 など
バリカタ!の効果
まずはバリカタ!の主成分、ケイ酸の効果について見ていきましょう。
作物を丈夫にする
ケイ酸は、作物を丈夫にする効果がある有用元素です。作物に取り込まれると、ケイ化細胞という、ガラス質の細胞体を作ります。ガラス質ということからわかるように、丈夫でしまった作物を育てることができます。
稲の倒伏予防にも使われることから、ネギの葉折れ防止にも効果があることを、イメージできるのではないでしょうか。細胞が丈夫ということは、病原菌やウイルスの物理的な侵入も防ぐとこができ、病気にも強い作物に育ちます。
光合成を促進
丈夫な作物では葉が持ち上がるため、十分に光が当たって光合成が活発になります。また、ケイ化細胞に光が当たると乱反射するため、細胞の奥まで光が届き、光合成の効率を高めてくれます。
バリカタ!のネギ栽培での効果
ネギ栽培においてバリカタ!は、定植・土寄せを行う「生育中期」から、土寄せや止め土を行う「生育後期」に使用します。まずは、ネギ栽培における効果を見ていきましょう。
効果① 葉折れを予防
まずは葉折れの予防です。株全体を硬く丈夫に成長させ、病気の侵入も予防します。
効果② 夏越し後の生育サポート
1本ネギでは、葉折れの予防だけでなく、夏越し後に使用することをおすすめします。バリカタ!に「ホストップ」と「鉄力あくあF14」を合わせて使用することで、ネギの回復を促進することができます。
効果③止め土時の病害予防
止め土の時にバリカタ!を使用することで、病気の侵入を防ぎましょう。
バリカタ!の使い方
バリカタ!は基本的には光合成が盛んな午前中に施用しましょう。高温期には、肥料やけを避けるために夕方に施用します。
葉面散布
バリカタ!は葉面散布での施用が特におすすめです。1000倍に希釈して散布します。
灌水施用
灌水施用する場合、10aあたり、原液500mLを施用するように使用してください。
施用間隔
10〜20日の間隔で施用しましょう。
推奨散布時期
バリカタ!の推奨散布時期は、夏・秋の過湿や低日照の時期です。
バリカタ!にはこんな効果も!
サカタのタネの肥料では、効果を高めるために、混用レシピが紹介されています。ネギ栽培での効果で紹介した以外にも、次のような効果があるので、ぜひ試してみてください。
耐寒性を高める!
「ホストップ」と「バリカタ!」を混用することで、作物の耐寒性を高めることができます。混ぜる順番に注意して混ぜ合わせましょう。10Lの混合液肥を作る手順は次の通りです。
①ホストップ10mLを水10Lに入れて混ぜる
②バリカタ!10mLを①に入れて混ぜる
カルシウムと微量元素の供給効率UP!
ケイ酸には他の元素の吸収を促進する効果もあります。「ホスカル」と「鉄力あくあF14」と「バリカタ!」を混用して、高温時に欠乏しやすいカルシウムと微量元素を補いましょう。混ぜる順番に注意して混ぜ合わせます。10Lの混合液肥を作る手順は次の通りです。
①ホスカル10mLを水10Lに入れて混ぜる
②鉄力あくあF14を2mL、①に入れて混ぜる
③バリカタ!10mLを②に入れて混ぜる
・バリカタ!は酸性肥料です。石灰・アルカリ系資材は混用しないでください。
・原液のpHが低いので、取り扱いに注意しましょう。
・寒い冬場には、固化する場合があります。
混用で登場した肥料の紹介
混用で登場した肥料をご紹介します。
ホストップ
ホストップはカリ配合亜リン酸液肥です。不足しやすいリン酸を補給することで、窒素過多によって崩れた生育バランスを改善し、カリウムによる効果で収量や品質を上げてくれます。
成分
・リン酸 : 25%(亜リン酸:100%)
・カリ : 20%
効果
発根・根張りの改善、分けつ・開花・着果などの促進
鉄力あくあF14
鉄力あくあF14は2価鉄とマグネシウムやマンガンなどの微量元素を含む液体肥料です。2価鉄は植物が吸収しやすいため、速効性に優れています。
成分
・鉄(2価鉄): 15000mg/L
・マグネシウム : 7000mg/L
・マンガン : 3000mg/L
・ホウ素 : 3000mg/L
・亜鉛 : 3000mg/L
・銅 : 750mg/L
・モリブデン : 300mg/L
効果
微量要素欠乏症の緩和、根量増加・根を太くする、光合成・呼吸の代謝向上
など
ホスカル
カルシウム配合亜リン酸肥料です。カルシウムはリン酸との相性がよく、同時に与えることで吸収率が良くなります。
成分
・窒素 : 2%
・リン酸 : 15%(亜リン酸:100%)
・カルシウム : 5%(CaO)
効果
窒素中断による徒長防止、葉先枯れ・尻腐れなどの対策
まとめ
ネギの葉折れ予防に「ケイ酸肥料」
商品 | 成分 | 効果 |
---|---|---|
ケイ酸20% 機能性糖類(マルトトリオース) 有機酸配合 |
倒伏の被害を軽減 根張り向上 収穫後のしおれを軽減 など |
バリカタ!との混用に
商品 | 成分 | バリカタ!混用の効果 |
---|---|---|
リン酸 : 25%(亜リン酸:100%) カリ : 20% |
耐寒性を高める | |
鉄(2価鉄): 15000mg/L マグネシウム : 7000mg/L マンガン : 3000mg/L ホウ素 : 3000mg/L 亜鉛 : 3000mg/L 銅 : 750mg/L モリブデン : 300mg/L |
夏越し後の生育サポート カルシウムと微量元素の供給効率UP |
|
窒素 : 2% リン酸 : 15%(亜リン酸:100%) カルシウム : 5%(CaO) |
カルシウムと微量元素の供給効率UP |
今回はネギ栽培の悩みのひとつ、葉折れの予防におすすめの「バリカタ!」をご紹介しました。バリカタ!の主成分であるケイ酸は、葉折れ予防以外にも、病気にかかりにくくしたり、光合成を促進する効果があります。
ネギ農家さんはもちろん、家庭菜園でネギに挑戦してみたけれど「しっかりしたネギにできない」とお困りの方にもおすすめの肥料です。ぜひ、バリカタ!を使用してみてくださいね。他にご紹介した肥料との混用も、相乗効果で生育促進間違いなし!
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