今回は、液体肥料「鉄力あくあ®F14」をご紹介します。この液体肥料は、光合成と根張りを促進させる二価鉄等が中心に含まれており、作物の成長促進を手助けしてくれます。また、NPKが含まれていないので、肥料設計を変えずに使える「作物のサプリメント」ととらえることができます。
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成長を促進するメカニズムから、基本的な施用方法、他の液肥との混用レシピを見ていきましょう。二価鉄が吸収されやすい理由も分かりやすく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
- 目次 -
「鉄力あくあ®F14」は作物のサプリメント
鉄力あくあ®F14は、鉄分を中心とした、液体の微量要素混合肥料です。NPKが含まれていないため、肥料設計を考えずにご使用いただけます。NPKは人でいう「食事」、だとしたら、鉄力あくあ®F14は、足りていない要素を補ってくれるサプリメント。
定植時の活着をよくしてくれたり、葉色が薄い時に改善してくれたりと、ここぞというポイントで施用することで、作物の成長を助けます。そんな鉄力あくあ®F14で特に注目なのが、二価鉄です。鉄分の中でも、二価鉄は植物に吸収されやすい鉄分ですが、なぜ吸収されやすいのでしょうか。
二価鉄とは?
鉄分は土壌中で3つの形態として存在しています。それは、「不溶態三価鉄、三価鉄イオン、二価鉄イオン」です。植物は酵素を出して、三価鉄イオンを二価鉄イオンに変化させることで、根から鉄分を吸収します。
つまり、不溶態三価鉄や三価鉄イオンは吸収できず、二価鉄イオンのみ吸収できるということ。
このことを利用し、鉄分を二価鉄イオンとして与えるとどうなるでしょう。酵素を出す必要がないため、すぐに吸収することができ、施用してからすぐに作用する、ということになります。二価鉄イオンを含む肥料は、即効性が欲しい時にピッタリの肥料だということが分かりますね。
二価鉄で光合成・根張り促進!
それでは、鉄分の効果について見てみましょう。
光合成促進
鉄分は葉緑素の生成に欠かせない成分です。鉄分が不足すると葉緑素が減少し、葉色が悪くなります。下の画像は、鉄欠乏のユリに鉄力あくあを散布し、葉色が改善した様子。鉄分が葉緑素の合成に欠かせないことが分かりますね。
鉄分を補給し、葉緑素が増えて青々とした元気な葉になることで、光合成が活発に行われ、成長が促進されます。
根張り促進
鉄分が欠乏すると、根の伸長が阻害されることが分かっています。根量が少なく弱々しい状態では、土壌から養分を吸収できないだけでなく、細菌やウイルスの侵入を許してしまうことに。鉄分を補給し、健康で丈夫な作物に育てましょう。
下の画像はアスパラに「鉄力あくあ®F14」を施用しなかったもの(左)と、施用したもの(右)です。根の伸長が促進され、根量が増加しています。根張りが促進されたことで収量も増加していますね。画像では分かりにくいですが、鉄分には根を太くする効果もあります。
旨みアップ
鉄分は、野菜の旨み成分であるアミノ酸の生成にも関わっています。アミノ酸の生成は葉緑素の中で行われるため、鉄分による葉緑素の増加は重要です。また、アミノ酸の生成に関わる酵素にも鉄が使われています。
アミノ酸生成の場を作り、アミノ酸生成も行う鉄分を補うことで、アミノ酸生成が促進。作物の旨みアップにつながります。
含まれる微量元素について
鉄分の主な効果は「光合成促進・根張り促進・旨みアップ」であることが分かりました。
ですが、鉄力あくあ®F14に含まれる成分は二価鉄だけではありません。二価鉄のほかに「マグネシウム・マンガン・ホウ素・亜鉛・銅・モリブデン」が含まれています。これらの成分について見てみましょう。
欠乏症の緩和
作物は摂取する養分のバランスが崩れると、欠乏した要素によって成長が阻害されてしまいます。上の図は鉄分の欠乏についてですが、他の微量要素でも同じこと。NPKに加え、微量要素もバランスよく補い、欠乏症を緩和しましょう。
マグネシウム・ホウ素・亜鉛
鉄力あくあ®F14に含まれる6つの成分の中でも、「マグネシウム・ホウ素・亜鉛」は細胞分裂に関わっています。作物の成長には細胞分裂が必要ですね。これが正常に行われないとどうなるのでしょうか。
細胞分裂が正常でない状態では、細胞壁が消失して細胞が枯死したり、不均等な細胞分裂が起きて曲がり果になったり、細胞壁が薄くなって葉や茎が折れやすい、といった症状が出てしまいます。
つまり、正常な細胞分裂は、作物の健康や品質に大きく関わっているのです。鉄力あくあ®F14を使って「マグネシウム・ホウ素・亜鉛」を補い、正常な細胞分裂を促しましょう。
一般的な使用方法
鉄力あくあ®F14は作物を選ばず、どんな作物にもご使用いただけます。特に、乾燥・過湿・低日照などのストレスのかかる時期は、鉄分や微量要素が不足しやすいのでおすすめです。灌水施用にもお使いいただけますが、特におすすめなのが葉面散布。3000〜5000倍に希釈して散布しましょう。
光合成の盛んな午前中に散布すると効果的です。しかし、高温期は肥料焼けの恐れがあります。日差しの強い間は夕方に施用してください。
- 好適作物: 作物全般
- 施用間隔: 7〜10日間隔で施用
- 散布時期: 夏の乾燥・過湿・低日照に
- 使い方:
葉面散布: 本製品を3000〜5000倍に希釈して散布
灌水施用: 10aあたり本製品原液250mLを施用
混用でこんな効果も
1本でも効果のある鉄力あくあ®F14ですが、他の肥料と混用するとさまざまな効果が得られます。
花卉・果菜類の品質向上レシピ
マグネシウムは転流を促し、品質を改善します。「鉄力あくあ®F14」と「ホスマグ」を混用することで、花卉・果菜類の品質を向上しましょう。施用のタイミングは、生育後半がおすすめです。
10Lの混合液肥を作る手順は次のとおり。
①「ホスマグ」10mLを水10Lに入れて混ぜる
②「鉄力あくあ®F14」2mLを①に入れて混ぜる
葉緑素の生成をより向上させるレシピ
葉緑素の成分であるALAと、光合成産物を運ぶ転流を促すマグネシウムを補うことで、葉緑素の生成をより促します。「鉄力あくあ®F14」と「ホスマグ」、「ALA-FeSTA(アラフェスタ)」を混用してみましょう。曇天・梅雨・秋雨の日照不足の時期の施用がおすすめです。
10Lの混合液肥を作る手順は次のとおり。
①「ホスマグ」10mLを水10Lに入れて混ぜる
②「ALA-FeSTA」を10mL、①に入れて混ぜる
③「鉄力あくあ®F14」2mLを②に入れて混ぜる
鉄力あくあ®F14の商品仕様
鉄力あくあ®F14の商品仕様は次のとおりです。
成分
・鉄(2価鉄):15000mg/L
・マグネシウム:7000mg/L
・マンガン:3000mg/L
・ホウ素:3000mg/L
・亜鉛:3000mg/L
・銅:750mg/L
・モリブデン:300mg/L
pH(目安)
2.5
容量
1.1kg(約1L)、11kg(約10L)
・既存の肥培管理に追加して施用します。
・希釈後は速やかに使い切ってください。
・チューブ等の目詰まりに十分ご注意ください。
ご使用後はチューブエンドを開放し、水による内部洗浄を行ってください。
・濃縮液肥タンクが複数の場合は、リン酸が含まれないタンク(例:硝酸石灰のみを含むタンクなど)に
加えてください。リン酸を含む肥料と混合すると、沈殿を生じることがあります。
・有機成分配合ですので、カビによる点滴を生じることがあります。
やむを得ずリン酸を含む肥料と混用する場合は、ご使用の直前に混合し、速やかに使い切ってください。
・濃縮液肥タンクが一つの場合は、希釈した養液に、液肥混入器等により直接混合してください。
・アルカリ資材との混用は避けてください。
・沈殿を生じる場合がありますが、品質上は問題ありません。
混用で登場した商品紹介
混用で登場した肥料をご紹介します。
ホスマグ
ALA-FeSTA(アラフェスタ)
日照不足におすすめめの液体肥料です。ALAが葉緑素の生成を促します。
成分
窒素:4.5%、リン酸:6.5%、カリ:5.5%、2価鉄、マグネシウム、微量要素、ALA、アミノ酸、機能性糖類
効果
葉緑素を生成、光合成能力の維持・向上、水や肥料の吸い上げ力UP など
まとめ
根付け・定植時に「鉄力あくあ®F14」
商品 | 成分 | 効果 |
---|---|---|
鉄(2価鉄):15000mg/L |
微量要素欠乏症の緩和 |
「鉄力あくあ®F14」との混用に
商品 | 成分 | 混用の効果 |
---|---|---|
ホスマグ |
窒素:1% リン酸:7%(亜リン酸:100%) マグネシウム:5% |
花卉・果菜類の 品質向上 |
窒素:4.5% 二価鉄 |
葉緑素の生成を より向上 |
吸収されやすい二価鉄で即効性のある「鉄力あくあ®F14」。NPKが含まれない作物のサプリメントなので、肥料設計を考えずに鉄や微量元素の欠乏が見られるときに施用できます。根張り促進効果もあり、定植前のどぶ漬けすることで活着をよくしたり、根量増加を助けてくれます。ぜひ鉄力あくあ®F14を活用してみてください。
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