米をはじめとした穀物の出荷では、作業の効率化や省力化が期待できるとしてフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)の利用が推奨されているのをご存知でしょうか。
そこで今回は、穀物の出荷作業の負担を減らしたいと考えている方向けに、農業資材の開発から製造・販売までを手がける田中産業株式会社の製品「グレンバッグ かばちゃん」を紹介します。まずはフレコンバッグの種類やJIS規格の試験について見ていきましょう。
- 目次 -
フレコンバッグとは
フレコンバッグは、粉状または粒状のものを大量に輸送することを目的に、折りたたみのできる素材を使用して作られ、吊り上げ用のつり部と充填や排出ができる開口部を備えたコンテナです。
フレコンバッグには、一回から数回使用することを目的とした「クロス型」と長期間繰り返し使うことのできる「ランニング型」の2種類があるのをご存知でしょうか。また、クロス型とランニング型もそれぞれ2種類のタイプに分かれています。
クロス型
クロス型は一回から数回の使用を目的としたフレコンバッグで、クロススタンダード型とクロスシングル型に分けられます。
クロススタンダード型
比較的少ない回数の使用を目的に設計されており、1年のみの使用または、充填や排出が1回から数回が限度のフレコンバックです。クロススタンダード型に分類されるフレコンバッグは、壊れたものをそのまま使用したり修理して使用したりすることが禁止されています。
クロスシングル型
1回だけ充填することを目的に作られたフレコンバッグです。
ランニング型
ランニング型は繰り返しの使用を目的としたフレコンバッグで、ランニングI型とランニングJ型に分けられます。
ランニングⅠ型
クロス型とは異なり、繰り返し充填・排出を行うことを目的に設計されたフレコンバッグです。破損した場合、修理することも可能ですが、元の強度と同等の引張強度になるようにしましょう。
ランニングJ型(1種・2種)
ランニングⅠ型と同様に比較的長期の使用を目的として設計されており、耐候性や防水性に優れた修理も可能なフレコンバッグです。Ⅰ型と同様、修理する場合は元の強度と同等の引張強度になるように補修する必要があります。
・1種…ゴムやプラスチック引布を接着または高周波溶着によって加工したフレコンバッグ
・2種…ポリオレフィン系の織布を熱風融着によって加工されたフレコンバッグ
丸型と角型の違い
フレコンバッグには、丸型タイプと角型タイプがあります。それぞれどういった違いがあるのか見ていきましょう。
丸型
丸型は、フレコンバッグの中でも比較的安価に購入できるものが多いのが特徴です。内容物を充填した際に、デッドスペースが生じやすいというデメリットもあります。
角型
角型は、保管時に形が整いやすく丸型と比べると安定性が高いのが特徴です。丸型に比べて価格は高い傾向にあります。
JIS規格の試験項目
フレコンバッグの強度や性能についてはJIS規格で決められています。JISマークが表示されたフレコンバッグは、JIS規格で定められた「材料や製品の性能」についての試験が実施されています。実際にどのような試験が行われているか見ていきましょう。
繰り返し頂部つり上げ試験
この試験では、フォークリフトやクレーンなどを使用して、製品自体の耐久性を確かめます。内容物を詰めたフレコンバッグの上部に平らな圧縮版を設置して、荷重を増やしたり減らしたりを交互に繰り返します。丸型か角型かによって繰り返す回数が決められていますが、さらにもう一度規定の最終荷重で試験を実施して、フレコンバッグの破損の有無などを見ていきます。
圧縮積み重ね試験
圧縮積み重ね試験は、輸送や保管の際のコンテナ積み上げを想定した試験で、耐久性を確認するものです。内容物を詰めたフレコンバッグに圧縮試験機や積み上げ荷重によって負荷をかけ、内容物の漏れをはじめ本体の側面や下面の劣化などの有無を見ます。
落下衝撃試験
落下衝撃試験は、フレコンバッグの荷降しで生じる衝撃を想定した試験で、耐久性を確認します。試験方法は、内容物を充填したフレコンバックを既定の高さから1回落下させ、内容物の漏れや本体の側面や下面の破損などの有無を見ます。
グレンバッグ かばちゃんとは?
「グレンバッグ かばちゃん」は、田中産業株式会社が開発したJIS規格適合の穀物専用フレコンバッグです。投入口がファスナーで全開になるのでコンバインから行う籾や麦の投入が簡単で、作業性に優れています。
今回紹介する「グレンバッグ かばちゃん」は、充填・排出回数が数回、または1年を限度として使用することを想定されたクロススタンダード型です。
米の出荷作業を効率的に!グレンバッグ かばちゃんを紹介
収獲した米や麦などが投入しやすく、出荷作業の省力化が期待できる「グレンバッグ かばちゃん」の商品特徴や使用方法などを紹介します。
通気性抜群!「グレンバッグ かばちゃん 一般用(800L・1300L)」
「グレンバッグ かばちゃん 一般用」は、乾燥機へ直接排出することを想定に作られたフレコンバッグです。一般用には800Lと1300Lの2種類があり、特殊な織り方の布を使用しているため、通気性を確保して蒸れにくいのが特徴です。1300Lは、通気窓も付いているのでさらに蒸れにくい仕様になっています。
最大重量は、800Lが約450kg、1300Lが約750kgです。排出量についてはハイランドロックで自由に調節可能で、排出口の長さも調節できるのでさまざまな場所で使用することができます。
排出口のロックとロック解除が簡単な方式です。
黄色い紐を引っ張るだけでロック解除、白い紐2本を持って留め具を絞るだけでロックすることができます。
800L・1300L専用「かばちゃんホルダー」
「グレンバッグ かばちゃん」を支えて投入作業を楽にする専用のホルダーです。高さ調節をすることで、800Lと1300Lの袋が使用可能です。クイックモーション方式を採用しているので充填後の取り外しも簡単。
アルミ製のため軽量で持ち運びしやすく、充填後の移動や作業も楽に行えるのが特徴です。工具は一切不要で、組み立ては付属の部品と説明書で簡単に行うことができます。
バックルを外して引っ張るだけで簡単に取り外しができます。
ライスセンター用「グレンバッグ かばちゃん 1700L RC」
「グレンバッグ かばちゃん 1700L RC」は、排出口がライスセンター専用になっているフレコンバッグです。一般用と同様、穀物の投入作業がスムーズに行えて通気性に優れているのが特徴で、排出量についてもハイランドロックで調節可能です。最大重量は約1000kgとなっているので、大容量のフレコンバックを探している方におすすめの商品となっています。
1700L専用「かばちゃんホルダー」
1700Lの「グレンバッグ かばちゃん」を支えて投入作業を楽にするホルダーです。800・1300L用のものと同様、クイックモーション方式を採用しているので、袋の取り外しが簡単。工具も不要で誰でも簡単に組み立てることができます。
クロススタンダード型の注意点
クロススタンダード型は、比較的短い期間の使用を目的に設計されており、使用年数1年または数回の作業を限度としています。破損したまま使用したり、修理して再使用することは認められていません。クロススタンダード型を使用する際に抑えておきたい注意事項を紹介します。
注意点① 期限付きの品質保証
製造メーカーによる品質保証は、フレキシブルコンテナ工業会の指針によって納入日から1年間または、1回限りとされています。1回目の使用時に製品自体の不具合が発生したり破損が生じた場合には、メーカーによる保証で無料交換することができます。数回の使用をもとに設計されるフレコンバッグであっても、2回目以降の使用時の不具合などには保証されないので注意が必要です。
注意点② 修理・再使用は不可
クロススタンダード型は、基本的に修理をして再使用することはできません。取り替え可能なつりベルトの交換であっても修理とみなされるので注意しましょう。ただし、内装袋の交換は修理とみなされないため行うことができます。
注意点③ 点検
作業時の落下事故や荷崩れなどを防ぐため、使用前につりロープやつりベルト、または接合部分などに破損がないかの点検を行うようにしましょう。
まとめ
種類 | 商品 | 特徴 |
---|---|---|
一般用 | 乾燥機へ直接排出 | |
乾燥機へ直接排出 | ||
800L・1300L専用 かばちゃんホルダー |
クイックモーション方式で 取り外しが簡単 |
|
ライスセンター用 | ライスセンター専用の 排出口 |
|
1700L専用 かばちゃんホルダー |
クイックモーション方式で 取り外しが簡単 |
今回は、田中産業株式会社が開発した「グレンバッグ かばちゃん」の商品特徴や使用時の注意点を紹介しました。
30kg入りの紙袋などによる出荷作業はパレットへの積み込みなど人が行う作業が多いため、どうしても重労働になってしまいますが、「グレンバッグ かばちゃん」を利用すれば一度に大量の穀物を運ぶことが可能になります。作業負担をできるだけ軽くして効率化を図りたいと考えている方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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