ナメクジは植物の葉や茎を食害する害虫で、ガーデニングや園芸、家庭菜園での悩みの種ですね。ナメクジの被害を受けると植物が枯れたり、生育が悪くなったりします。

そこで今回は生態から予防方法、駆除方法までご紹介します。駆除剤には２種類あり、自然にも存在する成分でできた駆除剤があるのをご存知ですか。キッチンにあるものでできる駆除方法から、おすすめの駆除剤までご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ナメクジとは

ナメクジは陸に生息する巻貝の一種で、殻を持たないことが特徴です。草食だと思われがちですが、雑食で虫の死骸やコンクリートも食べます。カタツムリも仲間で、進化の過程で殻を持たないようになったのがナメクジ、殻を持ったままになったのがカタツムリであると言われています。

 

ナメクジによる被害

ナメクジは雑食ですが、特に新芽や若葉などの柔らかい部分を好んで食べます。そのため、ナメクジの食害により花や野菜の健康な成長を妨げてしまいます。

また、ナメクジは湿度が高い環境を好むため、植木鉢やハウス栽培などの湿度が高い環境では特に被害が多くなります。食害の他にもナメクジが這った痕の銀色の粘着物、黒い排泄物が付着して品質低下にも。

 ナメクジは次のような作物を好んで食べてしまうので注意しましょう。

花

 

野菜

 

果物

 

その他

 

意外かもしれませんが、サボテンなどの多肉植物や苔も食べるため、観葉植物も注意が必要です。上記に含まれない作物であっても、被害に遭うことがありますので用心しましょう！

 

ナメクジの活動時期

ナメクジは寒さには比較的強い方ですが、活発に活動する時期は春と秋で、気温が20度前後の頃が最も活発になります。時期としては、4月～6月、9月～10月の梅雨や多湿期によく見られます。家庭菜園やガーデニングをしている人だと、葉っぱの裏や植木鉢、プランターの裏を確認すると隠れていることがあります。

また、ナメクジは夜行性で湿度が高い場所に生息しています。雨の降らない日は木の下や葉っぱの裏など、日の当たらないジメジメしたところに隠れています。ナメクジは乾燥に弱いので、体が乾くのを防ぐために体から粘液を出しているのも特徴ですね。

 

ナメクジの被害を予防しよう！

ナメクジの被害を予防するには、ナメクジが好む場所を作らない環境を整えることが重要です。ナメクジを寄せ付けない対策を行いましょう。

畑や庭

ナメクジは暗くてジメジメした場所を好むため、被害に遭わないためには湿気の多い場所、暗所を作らないことが大切になります。

 

 

プランター・植木鉢

限られたスペースでガーデニングを楽しんでいる方にとっては、難しいこともあるかもしれませんが被害に遭わないためには対策が必要です。

 

 

家庭にあるもので寄せ付けない

ナメクジを寄せ付けないようにすれば、作物に被害を及ぼすことがなくなります。ナメクジが嫌いなものはコーヒーやツバキです。コーヒーのかす、インスタントコーヒーを薄めたものでもOK。ツバキの実や葉を鉢やプランターに撒いておくと、ナメクジが寄って来なくなります。

 

ナメクジの駆除方法

ナメクジが好まない環境を作ろうとしても限界があり、ナメクジが来てしまうことがありますよね。駆除するには何が有効なのでしょうか。

キッチンにあるもので駆除

ナメクジは、駆除剤を使わなくてもお家にあるもので駆除することができます。有名なものを５つご紹介するので、ぜひ試してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

農薬の種類

ナメクジに使用する農薬はメタアルデヒド系と燐酸（りんさん）第二鉄系の２種類です。燐酸第二鉄系は自然にも存在する成分でできているので家庭菜園にもおすすめ！

注意が必要「メタアルデヒド系」

メタアルデヒド系は匂いでナメクジをおびき寄せ、摂食させることで駆除します。メタアルデヒドを人や動物にも害を及ぼすので、商品の説明を呼んで正しく使用しましょう。

 

家庭菜園には「燐酸第二鉄系」！

燐酸第二鉄系の農薬は「スラゴ」や「ナメトール」が有名です。ナメクジが食べると胃壁が溶かされるので駆除することができます。動物には効かないので安心して使用できます。

 

ナメクジ対策におすすめの農薬３選

家庭にあるものでお手軽に対策するのもいいですが、植物に対して有害なものも少なくありません。より効果的にナメクジ対策をしたい方におすすめの商品を３つご紹介します。

雨や湿気に強い！【スラゴ】

スラゴは燐酸第二鉄系の粒状ナメクジ駆除剤です。有効成分は天然に広く存在する成分で、犬、猫、家畜等が近づく場所でも使用可能。環境や生物に対する影響が少ないので、生態系のバランスを崩さない害虫管理の方法、IPM(総合的病害虫管理)にも適しています。

雨や湿気に強い製剤で、湿った場所でも高い効果を発揮します。ナメクジ被害のある全ての作物で、収穫直前まで使用できます。隠れた生息場所に戻って効果が発揮されるので死骸が人目につかないのもうれしいポイント。

注意事項

• 作物にかからないように、作物周囲あるいは株元の土表面に処理に散布しください。
• 目に対して刺激性があるので、目に入った場合は、直ちに水洗いし、眼科医の手当を受けてください。

 

環境にやさしい！【ナメトール】

ナメトールは燐酸第二鉄系の粒状ナメクジ駆除剤で、環境に優しく、犬、猫などペットがいるところでも安心です。残った粒は土壌の微生物の働きで自然に戻り、有機JAS（日本農林規格）が定める有機農産物の生産現場にも使用できる駆除剤。

ナメクジが食害する全ての植物に利用可能で、雨や湿気に強く、湿った場所でも効果が持続します。ナメクジが来そうなところにナメトールを撒くだけで、簡単に使用することができます。

注意事項

• 作物に本剤がかからないように、作物周辺あるいは株元の土壌表面に処理してください。
• 本剤は目に刺激があるので、目に入らないように注意してください。
• 直射日光を避け、食品やペットの餌と区別してなるべく低温で乾燥した場所に密閉して保管してください。

 

天然素材100%の忌避剤！【逃げまんねん】

ナメクジだけでなく、ゴキブリ・ムカデといった害虫から、ネズミ・野良猫などの動物まで対応している忌避剤です。木酢液、木タール、にんにくといった天然素材100%で安心。匂いと効き目が非常に強力で、一度設置すれば2ヶ月も有効です。撒くだけ済むので非常に簡単です。

多くの忌避剤は水気に弱いので雨が降ると再度蒔き直しする必要がありますが、「逃げまんねん」は水気を弾く性質を持つので長期間持続します。

ベランダなどで園芸をしている場合、コンクリートに直接撒いてしまうとシミになるので、お皿を置いたスポンジに垂らして使用しましょう。畑など土面に直接撒く場合は、一箇所あたり大さじ１杯分を２m間隔で散布します。

注意事項

• 大雨が降ると効果が無くなります。
• 花が咲き、実のなる作物の近くで使用する場合は、蝶や蜂が来なくなるのでやめましょう。

 

まとめ

ナメクジはヌルヌルしていて、苦手な方も多い害虫です。実際に花や野菜を食べてしまうので注意が必要。まずはお家にあるものを活用して予防や駆除をしてみましょう。

庭や畑でナメクジの被害が多い場合や、身近なもので予防できなかった時は、農薬もおすすめです。今回ご紹介した農薬は、どれも家庭菜園や園芸で安心して使用できるタイプです。

今回ご紹介した内容を参考に、大切な植物や農作物を守りましょう！

 

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