兼業農家を始めたい!収入やメリット・デメリット、注意点とは?
コロナ禍をきっかけに、農業を副業とする兼業農家が増えています。兼業農家を始めたいが、開始方法や注意点が分からないという人もいるでしょう。 この記事では、兼業農家の平均年収やメリット・デメリット、兼業農家を始める際の相談先や、おすすめの作物などを解説します。 兼業農家へのチャレンジを検討する際に、ぜひ参考にしてください。
- 目次 -
兼業農家とは
兼業農家とは、農業と他の仕事を兼任する農家のことです。 兼業農家は、第一種と第二種に分類されます。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
第一種兼業農家
第一種兼業農家は、農業からの収入が兼業からの収入より多い農家のことです。 農業をメインに営み、副業からも収入を得ている場合を指します。
第二種兼業農家
第二種兼業農家は、兼業からの収入が農業からの収入より多い農家です。 会社員が週末だけ、副業で農業を行っている場合は、第二種兼業農家に該当します。 コロナ禍でリモートワークが広がり、兼業農家を始める人が増えています。
兼業農家の働兼業農家の働き方はさまざまです
週末農家は、主に土日を活用して農作業を行います。半農半Xは、本業と農業でそれぞれ週の半分程度を費やし、本格的に農業を行うスタイルです。 家庭菜園の場合は、自宅の庭で農作物を育て、自己消費や販売を行います。 アルバイト・パートとして、農地を所有せず、他の農家に雇われる形で農業を行うケースも見られます。
兼業農家の平均年収
令和3年営農類型別経営統計で公開されている、農業経営体の粗収益・経営費・所得(全国平均)は以下の通りです。
農業粗収益 | 農業経営費 | 農業所得 | |
主業経営体 | 2,072万3,000円 | 1,638万8,000円 | 433万5,000円 |
準主業経営体 | 622万4,000円 | 567万5,000円 | 54万9,000円 |
副業的経営体 | 285万9,000円 | 272万5,000円 | 13万4,000円 |
経営体ごとの金額であるため、個人で換算すると記載の金額より減る可能性があります。
※参考:農業経営統計調査 営農類型別経営統計 確報 令和3年 2021年
兼業農家のメリット
兼業農家になると、いくつかのメリットが期待できます。ここでは、主なメリットについて解説します。
副業から収入を得られる
兼業農家は、本業以外からも収入を得られることがメリットです。 専業農家を目指す場合でも、まずは副業としてノウハウを身につけ、売上をもとに徐々に規模を拡大することをおすすめします。 農業は初期投資が大きく、最初から専業農家として生計を立てるにはリスクが伴います。
自給自足に近づける
兼業農家になると、自分で作った新鮮な作物を食べられるため、食費を抑えられます。 副業として収入を得るだけでなく、生活費の節約にもつながります。
自分に合ったペースで農業を始められる
本業からの収入もあるため、自分のペースに合わせて農業を始められます。 最初は週末だけといったスタイルもおすすめです。精神的な余裕があるため、稼ぐことに汲々とせず、こだわりをもって試行錯誤を重ねられます。
自然に触れてリフレッシュできる
都心の生活やデスクワーク中心の日々から離れ、自然に触れることでリフレッシュできるだけではなく、体を動かすため、健康増進効果も期待できます。 作物を作るやりがいや、お裾分けを通じた他人との交流が生まれることもあるでしょう。
兼業農家のデメリット
兼業農家には、メリットばかりではなく、デメリットも存在します。ここでは、主なデメリットを解説します。
初期は収入よりコストの方が大きい
農家としてスタートした初期段階では、多くの場合、コストが収入より大きくなります。 農地のレンタル代や農機具の費用などにより、高額の初期費用が発生するためです。
例えば、3平米の土地を利用する場合、年間8万円程度必要といわれています。 作物が育つまでに一定の時間を要するため、短期的には収入よりコストが上回ります。農業は、計画的に始めることが大切です。
続けるには一定の時間・労力が必要になる
農業を続けるためには、一定の時間や労力が求められます。 例えば、農業では種まきや収穫、生育状況の定期的な確認などが必要です。 兼業農家の場合、本業の空き時間や週末にも作業しなければなりません。 本業の忙しさや、自分の体力を加味して始めないと、中途半端に終わってしまう可能性があります。
兼業農家を始めるには、どこに相談すればよい?
兼業農家を始める際、多くの疑問や不安を感じることもあるでしょう。 ここでは、兼業農家を始める際の相談先について解説します。
新規就農相談センター
新規就農相談センターとは、農業に挑戦しようと考えている人々に対し、情報提供や助言を行う農林水産省の機関です。 全国各地に相談窓口が設置されており、農家になるためのノウハウや必要な手続きの相談が可能です。
自治体の役所
各市町村の、農水産関連部署に相談することも可能です。 就農に必要な情報だけでなく、自治体によって様々な支援が実施されています。 例えば、就農準備に向けた農地の斡旋や生活支援、技術指導などを受けられます。
周辺の農家
周囲に兼業農家をしている人がいれば、直接アドバイスをもらうこともおすすめです。 その地域ならではの悩みや対策方法など、農業の現場に即した現実的な助言が期待できます。
週末だけ農業をしたい場合におすすめの方法
まずは週末だけ農業にチャレンジすることも、よい選択肢です。おすすめの週末農家の始め方について解説します。
家庭菜園
家庭菜園は、自身の土地で畑を耕し、作物を栽培して収穫する手法です。家庭菜園を始めるためには土地が必要ですが、既に所有していれば、農地の維持費は発生しません。 ただし、農業に必要な農具や種苗などは、自己調達が求められます。
市民農園(該当地域の住民のみ利用可能)
市民農園は、自治体が貸し出す農地で農業を開始できるサービスです。該当地域の住民であれば、サービス料を支払うことで、農業をスタートできます。自宅近くの土地を利用でき、自治体によっては、農具の貸し出しが行われる場合もあります。
シェア畑(居住地を問わず利用可能)
シェア畑は、民間企業が提供する土地で、農業に挑戦できるサービスです。地域に関わらず誰でも利用できます。コストが割高ですが、農具の提供も行っていることが多く、開始準備の手間を省けるメリットがあります。
兼業農家に向いている作物
農業を副業とする人は、農作業の時間や機会に制約があるため、兼業農家に適した作物を選んで栽培することが大切です。
兼業農家に向いている作物の特徴と、具体的な作物の例を以下に示します。
兼業農家に向いている作物
手間がかからない作物
例:ジャガイモ、さつまいも、しょうが
単価が高い作物
例:しいたけ・ミョウガ・アスパラガス
小規模な面積でも育てられる作物
例:ナス・トマト・枝豆
兼業農家をする際の販売ルート
兼業農家を始める際、販売ルートを確保することも重要です。ここでは、主な販売ルートについて解説します。
オンラインショップ
オンラインショップはインターネットを通じた販売方法です。 SNSやブログで集客し、自由に価格設定できることがメリットです。 一方、他の出品者との差別化が必要で、売れなければ利益が見込めないというデメリットもあります。
道の駅などの直売所
直売所での直接販売も1つの販売ルートです。 メリットは、自由に価格設定できることや、少量からでも販売可能であることです。 デメリットは、直売所によって利用料が必要な場合があり、赤字が発生する可能性が挙げられます。
農協
農協に作物を販売する方法もあります。 メリットは、農協が作物を買い取ることで、安定した売り上げが期待できる点です。 ただし、形や大きさの規格が厳しく、買い取り価格が固定されていることがデメリットです。
兼業農家を始める際のポイント・注意点
兼業農家を始める場合、いくつかの注意点があります。ここでは、特に重要なポイントをピックアップして解説します。
補助金を活用する
費用面での不安を抱える人には、補助金を活用することをおすすめします。
兼業農家を始める人が利用できる、主な補助金は以下の通りです。
農業次世代人材投資資金
農業開始後に経営開始資金として、年間150万円が最長3年間給付されます。
また、農業開始前に就農準備資金として、年間150万円が最大2年間給付されます。
スーパーL資金
農業経営改善に必要な資金を、最大3億円まで融資してくれる制度です。
費用対効果をふまえて計画をたてる
兼業農家を始める際には、費用対効果を考慮した計画作りが重要です。 初期投資が大きいため、無計画に始めると赤字に陥るリスクがあります。 栽培する作物や栽培方法、農地の広さなど、自身の能力に合わせた規模で計画を立て、費用対効果を見極めることが大切です。 同時に販売戦略も重要です。販路によって単価が異なるため、独自の販路を開拓するといった戦略も効果的と言えます。
確定申告の対応漏れに注意する
兼業農家を始める際、確定申告の対応漏れに注意しましょう。 年間で20万円以上の副業所得がある場合は、確定申告が必要です。領収書や請求書を保管し、収支を記録しておきましょう。
収入 - 経費 = 所得
なお、副業所得が20万円を下回る場合でも、住民税の申告は必要であるため、忘れないように注意してください。
まとめ
兼業農家には「副業収入を得られる」「自分に合ったペースで農業を始められる」といったメリットがあります。 しかしながら、初期は収入よりコストの方が大きくなる場合があります。費用対効果をふまえた設備投資や、販売計画を検討することが重要です。
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