農業女子とは、農業に従事する女性のことをいいます。 結婚を機に農業に携わったり、起業したり、IターンやUターンをきっかけに転身したり、さまざまな理由で農業の仕事に就いています。 この記事では、農業に従事している人、またはこれから従事したいと考えている人に向けて「農業女子」とは何かを詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

「農業女子」とは

農業女子とは、女性農業者のことです。農業は男性の仕事というイメージが強いですが、農業に携わっている約半数が、実は女性です。 「○○女子」という言葉は、スイーツ女子、カメラ女子、カープ女子など、趣味・趣向に使われることが多いですが、農業女子は趣味・趣向だけではありません。 仕事として農業に携わっている女性を指します。 農林水産省の「農業女子プロジェクト」が2013年より開始され、農業における女性の活躍の場が増えています。

「農業女子プロジェクト」とは

農業女子プロジェクトは、2013年に農林水産省がスタートさせた農業に励む女性と、民間企業・団体を結びつけるプロジェクトです。 女性の農業就労の認知を高め、職業として農業を選択する女性の増加を目的として、女性が輝く社会の実現に向けた活動をしています。 女性ならではの視点を取り入れ、日本社会での女性農業者の価値を高めることも特徴です。 農業に対しての考えや技術を広めたい、農業を通して、世の中の役に立ちたいと思っている農業女子同士の交流や、情報収集も盛んに行われています。

「農業女子プロジェクト」の主な活動内容

農業女子プロジェクトの主な活動は2つあります。それぞれどのような活動が行われているのかを解説します。

企業と提携し新たな商品・サービスを生み出す

農業女子プロジェクトには30社以上の企業が参画しています。 例えば、女性農業者の活躍を発信する「企業プロジェクト」や「SDGs活動を発信」などの取り組みの実施です。 さまざまな業種の企業・団体と連携し、経験と知恵を活かしながら個別のプロジェクトを推進しています。 農業女子ならではの気づきや発想をもとに、新たな視点での商品・サービスの企画・開発を行い、情報の発信もしています。 どの商品も女性視点で開発されているので、見た目のオシャレさやかわいささだけではありません。 以下のような機能面においても優れた商品やサービスを生み出しています。

・日焼け対策が施されている
・女性でも扱える軽い農具
・農業機器の操作方法が簡単

※参考：企業別プロジェクト｜農業女子PJ

教育機関と連携し女性の就農をバックアップする

「若い女性の職業選択肢に『農業』を加える」ことが農業女子プロジェクトのミッションの1つであり、学生×教育機関×農業女子による「チーム“はぐくみ”」を結成しました。 教育機関と農業女子を結びつけ、就農の魅力を伝えるさまざまな取り組みを行っています。 教育機関は、蒲田女子高等学校、東京農業大学、産業能率大学など8校がパートナーとして参加しています（2023年10月時点）。 学生の頃から農業に触れることで、就農が身近になるきっかけにもなっています。

※参考：未来の農業女子育成「チーム“はぐくみ”」｜農業女子PJ

「農業女子」になった理由とは

女性が農業を始めて「農業女子」になった理由は、さまざまなことが考えられます。代表的な例を含めながら紹介します。

自然のなかで働きたい

農業女子のなかには、都会出身の人も多く、農業体験を通して農業に興味を持ち職業として選択する人もいます。 スローライフやエコな生活の注目度が高まった影響で、自然のなかで、本来の持つ生活サイクルで過ごすことに魅力を感じるケースが増えています。 都会での生活から自然豊かな場所での暮らしを機に、就業する人も少なくありません。

家業に関わりたい

「生まれた家が農家で家業を継ぐため」「結婚相手が農業に従事していた」などの理由で農業女子になる人もいます。 家業を継ぐといっても、自分の意思に反しているのではありません。 小さいころから農業に親しみ、やりがいや魅力を身近に見てきたからこその、就農選択といえるでしょう。 また、農家の男性と結婚し、家族で仕事を共にしたいとの思いから農業に関わる人もいます。家族との時間が取りやすいこともメリットの1つです。

起業したい

大学で農業に関連することを研究し、卒業後に農業法人を起業したいと考える就業女子もいます。 「起業したい」とのきっかけで、さまざまな分野を模索しながら、近年ではジャムやスイーツなどが、ヒットの要素につながることもあります。 アイデアが豊富な人や自分の確固たる方針・実現したい企画がある人にとって、起業の1つのかたちとして、就農を選択する人もいるでしょう。 農業は、アンテナを張って世の中の動きに敏感な女性たちが、注目する職業となっています。

「農業女子」が持つ女性ならではの3つの強み

農業は、体力的なことを考えると女性にとっては重労働といえます。しかし、女性ならではの強みもあります。ここでは3つの強みを解説します。

きめ細やかな配慮ができる

男性よりも女性は手先が器用だといわれています。 収穫した野菜を丁寧にパックに詰めたり、消費者視点でパッケージを工夫したり、きめ細やかな配慮ができます。 なかには、パッケージのデザインを自分で手掛け、売上がアップした例もあります。 普段、消費者としての視点で捉えている女性にとって、得意分野といえるのかもしれません。

コミュニケーション能力が高い

コミュニケーション能力が高いことも女性の特徴です。周りの人との結びつきを積極的にとり、関係性の構築能力に長けています。 このような女性ならではの強みから、生産者同士の情報交換が活性化し、農業技術の向上につなげられるでしょう。 また、最近ではSNSを上手に活用し、情報交換や情報発信をすることで成功している人もいます。。

6次産業化に強い

女性の消費者目線は、販売を行う農業の6次産業化に生かされています。 6次産業とは、農業の1次産業事業者が、農林漁業者の所得を向上させることをいいます。 食品加工（2次産業）、販売業・サービス業（3次産業）までを担い、提供をすることです。 6次産業の「6」は、1次産業×2次産業×3次産業のかけ算の6を意味しており、生産物の価値が高められています。 また、女性は、情報収集能力が男性よりも高いため、消費者に受け入れられる商品やサービスの開発に向いています。 今後、農業の6次産業化の担い手として、さらに期待できるでしょう。

「農業女子」になる方法

農業をやってみたいけれど、どのようにしたらよいか分からない人も多いかもしれません。ここでは農業女子になる方法を解説します。

農業法人に就職する

農業法人とは、法人形態によって農業を営む法人のことです。 農業についてのスキルを雇用されながらも学べ、給与をもらう就農スタイルであり「雇用就農」とも呼ばれています。 家族のみで設立したものから、従業員を抱える法人など、さまざまな規模で運営しています。 また、加工や商品化の部門がある法人もあり、多様な人材が必要です。 全国新規就農相談センター・都道府県新規就農相談センター・ハローワークなどが主な窓口です。 雇用農業は農業の8割以上が未経験者のため、ゼロから農業を始める人たちにとっては、主流の就農方法となっています。

農業を学ぶ学校に入学する

農業大学校や就農準備校に入学し、農業に必要な知識を体系的に学ぶことも1つの方法です。 コースによって期間は異なるものの、数か月で学べるものもあります。農業技術だけではなく経営に関する知識も身につけられます。 将来は、農業女子として起業を考えている人たちや、農業法人に就農を希望している人たちにも、最適な習得方法といえるでしょう。 農業大学校は、農業経営者を養成する機関として、全国41道府県に設置されています。

農家の人に直接学ぶ

農家に「弟子入り」し、住み込みで働く方法もあります。 直接農家の人から学べるので、農業で起業を考えている人にとっては、近道となるかもしれません。 新規就農制度を利用すれば、研修生として働き始めることも可能です。その場合は、各都道府県の新規就農センターに相談するとよいでしょう。 例えば岡山県では、就農を希望する産地で1か月間の「農業体験研修」と、最長2年の「農業実務研修」が受けられ、 農業の経営者として働くための第1歩を踏み出せます。 各自治体の農業研修については、それぞれの自治体が運営するWebサイトで確認しましょう。 年齢条件が設けられていることもありますが、応募条件さえ満たしていれば参加できます。

※参考：新規就農研修制度 – 岡山県担い手育成総合支援協議会

まとめ

かつての農業は男性の従事者が多く、女性が就業するのは嫁ぐことが一般的でした。 しかし最近は、農業女子と呼ばれる農業に関わる女性たちが増えています。 「農業女子プロジェクト」がスタートし、国からも推奨されていることで注目を集めています。 新規就農センターや各自治体を利用して研修を行えば、農業起業も夢ではありません。 プラスワイズは、農業資材や農業用品・農機具を扱うインターネット販売会社です。 園芸薬剤や肥料、運搬機器など、幅広いアイテムを取り扱っています。農業女子の方にも使いやすいものがそろえられるので、ぜひご活用ください。

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